アファームド高等戦術講義 『ボンバーマンから君へ』 はじめに アファームドは近接白兵戦専用VRである。その最大の武器であるトンファーの魅力に魅かれて乗る人も多いだろう。しかし私はトンファーこそ最大の弱点だと考えている。  なぜならトンファーはしょせん近接武器であり、ガード可能な武器だからだ。  アファームドは近接白兵戦VRであるにもかかわらず、近接戦において有効かつ効果的にダメージを与え得る武器を持たないのである。アファームドが決して強いとは言えないVRである理由のひとつだろう。実際、上級者の近接戦縛りでも、90秒フルにやっても1回当たればいい方だと思う。  つまり、 アファームド乗りにとって近接戦は必要不可欠ではあるが、近接戦だけのアファームドは、対戦相手にとって怖くない相手だということである。その程度のアファームドなら全国にたくさんいるだろうし、それ以外の攻撃方法を持たないのは対戦において致命的だろう。アファームドが対戦相手の脅威となるには、トンファーに頼りすぎることなくショットガン、ボム、すべての武器を効果的に使用し、レパートリーにとんだ攻撃方法を持たなくてはならないと考える。そうすることによって、近接戦だけでないアファームドでの対戦の面白さを知ることができると思う。  このアファームド高等戦術講義は、私、ボンバ−マンをはじめとする京都木屋町のア ファームド乗りの武器使用方法、攻撃方法を解説している。用語は木屋町のスラングが多少あるが、許していただきたい。これを読んで、あなたのアファームドになにかしらの影響を与えることができれば幸いである。  なお回り込み(これに対して敵のダッシュに対する回り込みは、後ろ回りと呼ぶことにする)、回り込みキャンセルガード、回り込みキャンセルダッシュ、ガードキャンセルアタックなど基本的な近接戦技術はもちろん、カゲロウまですべてマスターしている、あるいは知っているものとして話を進めることにする。  第一章 ショットガンにおける爆風利用 アファームドのショットガンを撃つにあたり、常に心がけることは、弾だけでなく爆風を当てることである。弾の攻撃力よりも爆風の攻撃力のほうがはるかに大きいからであ る。爆風を味方につけることによって、ショットガンの有効性ははるかに変わってくる。以下、具体的にみていこう。  1 ヨコショット(ヨコダッシュショットガン)  ヨコショットは比較的爆風にまきこみやすい攻撃である。最大攻撃力はトンファー並みにあるだろう。しかし普通に撃っても爆風を当てることはできない。回り込みキャンセルヨコショット、トンファーorガン殴りヨコショットなどを使用し、敵のすぐそばで撃ってほしい。加えてカベを敵の背に、もしくは斜面を敵の下にするとより効果的だろう。また敵の進行方向に先回りしてヨコショットを撃つ方法もあるが、これは爆風にまきこみにくい。しかしカベのそばであれば狙う価値もあるし、全弾当たりそうならば撃つべきだろう。要は敵を爆風にまきこまれやすい状況においこむことである。  ライデンは動きがニブいため、まきこまれやすくよく転倒する。多めに出してもいいだろう。しかしかわされれば、しゃがバズ範囲である250mあたりでダッシュがおわるため、逆に爆風つきで狙われる。注意したい。  安定性の高いドルカスでも、うまくまとめて当てれば転倒する。先手を取られやすいドルカス相手には重要な攻撃方法となると思う。  またベルグドルは、爆風に対してなぜか耐久性が高くほとんど転倒しない。ボムにするべきだろう。  2 ジャンプショット  ジャンプショットを撃つとき、ほとんどの人は敵のダッシュ硬直を狙って撃つだろう。しかしそれでは遅い。敵のダッシュが終わる少し前に撃ちだして、地面に当てるようにするのである。すると敵の足下あたりで爆風がおこり、通常のジャンプショットよりダメージが大きい。  対ライデンはかなりやりやすく、成功すれば転倒する。このジャンプショットは撃ちだすタイミングが難しい。速過ぎれば当たらないばかりか着地を狙われることになる。しかし練習次第で、撃ったときに転倒する、しないの判断までつくようになるだろう。  次に近距離空中戦におけるジャンプショットの効果について述べる。自機、敵機共に空中にいて、かつロックオンがはずれている場合、ジャンプショットを撃ちだせば、おおむね敵の着地点の地面に当たり爆風がおこる。敵は着地と共にダメージを受ける。  このような状況はできにくいが、近接戦におけるジャンプキャンセルや、近距離からのジャンプ攻撃をジャンプでかわした時など起こりうる。知識として知っていれば役立つだろう。  3 ワナショット(byボンバーマン)  対アファームド・テムジン用の攻撃方法である。彼女らの放つダッシュボムなどに対 し、ライデンがダッシュバズーカで避けて、ボムに当たり爆風がひろがってるところに、アファームド・テムジンがボム内をダッシュで駆け抜けようとしてダメージを受ける。対戦初期によくおこったこれを、アファームドでするのがワナショットである。  この状況を造りだすことは、ライデンとは異なりかなり難しい。最もこのワナにはまりやすいのはトンファーキャンセルダッシュを繰り返すアファームド、そして近接信管で しゃがみボムを爆発させるテムジンであろう。例をあげれば、アファームドなら前ダッ シュボムを出した後、即キャンセルトンファーでボムをくぐり追い討ちをかけようとす る、そのボムの表面にショットをばらまく、テムジンならしゃがみボムを誘って爆発させて、そのボムの表面に逃げ撃ちっぽくショットをばらまく、などである。  敵側からは、ボムの表面に爆風にひろがっているのがまったく分からないのが、ワナ ショットたるゆえんである。  敵の放つボムに対し撃ち込むショットだが、ヨコショットは爆風の広がりはもっともよいが、そのホーミング性能からボムのなかにおびきよせにくい。カベそばであれば自機をカベにそらしてヨコショットさせたり、敵を見失うが旋回してからヨコショットなど考えられる。  立ちショットは撃った後の回避が楽ではあるが、爆風の広がりに問題がある。バック ショット、1フレームなども考えられるが、いずれも敵がボム内をくぐることを想定したワナであり、それ以上のものではない。しかしワナにかかったときのダメージと喜びは相当のものである。  4 その他  バックショットが軽量級VRに効果的であることは、当然知られてるものとして省略する。  しゃがみショットを対軽量級VRや対空用としてのみ使用してる人は、他VRのジャンプキャンセルを先読みして撃ったり、250m付近にいる敵の頭上に爆風をおいておくのも効果的であることを知ってほしい。ショットを一発撃っておけば、敵としてはその回避方法としてジャンプキャンセルを選ぶこともある。これにあわせるようにしゃがみショットを撃たれるのは、当たらずともかなりのストレスとなる。実際、対アファームド戦においてトンファー有効距離ならジャンプキャンセルが多くなりやすい。   第二章 しゃがみボムの有効性  アファームドのボムは全VRの武器のなかでも、最も創造性にあふれた武器であると思う。特にしゃがみボムは、テムジンのように近接信管でなく攻撃力の高いメリットを利用しない手はない。以下、しゃがみボムを中心にその有効性について距離別にみていく。  1 中距離〜遠距離でのボム  中距離〜遠距離戦においてなんの動作もなく、敵との距離をつめようとするのは早計であろう。すべりしゃがみボムを、常に1クッションはさむぐらいの気持ちでいたい。敵にすれば、転がってくるボムによって自分の動きを制限されるのだから、出しておいて損はない。しかしなにも考えずに出すのでは、それだけの効果しかない。いかに敵をボムのなかに入れるか、あるいは自分の次の行動の布石とするか、意味を持たして出すべきだろ う。  基本的な使用方法としては、敵のボムに、立ちボムやしゃがみボムを重ねたり、自分の立ちボムにしゃがみボムを重ねる。地味だが有効な手ではある。カベからでてこないような敵であれば、ただしゃがみボムをなげるより、立ちボムで視界を奪ってからの方が効果的だろう。 また敵が斜面そばにいるようなときは、狙ってしゃがみボムを出したい。当然のことだが、ボムは坂を上らないからである。 対ライデン戦においてはすべりしゃがみボムを多めに投げるべきだろう。レーザーを狙わせてその硬直に爆発させるのである。レーザーに当たったとしても、しゃがみで耐えてるのだからたたみかけることも可能だ。  対テムジン、アファームド戦なら敵の頭上を越すようにしゃがみボムを投げ、わざと敵方向にダッシュ攻撃、後ろ回りを狙わせる。ここで斬られては意味がないのでカベそばでだしたり、トンファーキャンセル斜めダッシュなどで斬られにくいように工夫してほし い。敵が後ろ回りを失敗したときにはボムのなかであるから、近接戦やヨコショットでたたみかける。リスクはあるが成功すれば嬉しいワナボムである。  2 近距離、近接戦でのボム  近距離、近接戦でぜひ狙ってほしいのはカベボム(障害物にあてるしゃがみボム)である。近接戦縛りであるならともかく、これを卑怯と考えるのは悲しい。カベボムを出すには明らかなスキがあり、テムジンの近接信管付きと同視するのは間違いだと思う(私自身はテムジンのしゃがみボムを悪く思ってないが)。  話を戻そう。カベボムを狙うに当たっては、テムジン、アファームドなどの回り込みに注意して出すこと、敵にばれないよう意表を突くことの二つである。。  回り込みに注意するのは当然として、敵にばれないよう意表を突くことは、カベボムをする障害物の把握につながる。例を挙げれば、グリーンヒルの外周はできる場所、できない場所があるし、知られていないところでは、ウォーターフロントの高速道路は角度を 90度にすれば爆発する。またルインズの柱は敵を驚かすことができるだろう。  使うタイミングであるが、近接戦のさなかに出すのが一般的である。また敵のダッシュにあわせて出すのも効果的だ。詳しい解説は不要だと思うが、大胆なのをひとつ紹介しよう。  敵の起き上がりに背中を向けて立ち、カベを前方向にもってくる。たいていの敵は近接兵器でかかってくるだろう。それをすべりでかわしつつカベボムで迎撃する。何回か使えば誰も引っかからなくなるだろう。しかしこういった敵とのかけひきこそ、対戦の醍醐味だと思う(賛同できない人もいると思うが)。  近距離や近接戦でボムを使うとき、覚えていてほしいことはVRのそれぞれのボムの耐久性である。軽量級やベルグドルがボム一発で転倒するのは有名だが、アファームド、ライデンはボム連続二発で転倒する。カベボムなどを出すときは、けちらず連続で出し転倒を狙うべきだろう。またテムジン、ドルカスは転倒しないため加えて攻撃できるし、連続でだせば完全に視界を消すことができる。 次に起き攻めに使うときのボムについて述べよう。敵を転倒させた後の起き攻めに、敵の後ろにボムを投げて起き上がりガード阻止や、ダッシュ方向を限定させるのは一般的に行われていることだと思う。イキコンボなどのボムからの連携は、後で詳しく述べることにする。 転倒した敵に、直接しゃがみボムをあてて視界を奪うのは効果的である。敵としては起き上がったときに、ボムの中でガードやジャンプキャンセルするのは避けたいところであるため、ダッシュでの回避が多くなるだろう。そこでの回り込みや、ヤマウチダッシュ ショット(後述)などの攻撃は有効度が上がると思う。  起き上がりダッシュ攻撃を多用する敵は、近接戦に持ち込みたいアファームドにとってやっかいなものであるが、そういった敵は一度完全に封じると、気分的に使いづらくなるものである。単にボムを重ねたり、別に起き攻めにこだわらなくてもいいのだが、試してほしい攻撃に以下のようなものがある。  敵を転倒させた後、自分の背にカベをもってくる。敵の頭上を越してしゃがみボムを投げ、すぐ敵の左右に着く。敵が起き上がりダッシュ攻撃をかけるにあたっては、カベにむかわず、広い方向にするものである。しかしその方向にはボムが待っている、というワナボムである。簡単には成功しないが、こういった創造性あふれる戦術が、対戦を面白くすると思う。  3 直当てボム  近接信管をもたないアファームドのしゃがみボムを、直接敵に当てるのはテクニックのいるものである。しかし当てれば先手を取れることも多く、攻撃のレパートリーも増えることになる。使えない攻撃とは考えないでほしい。敵のダッシュに合わせることも上達すれば可能である。  近接戦で狙うポイントは、敵のガードが固まるときがいい。安全志向の人には進めないが、敵にすればかなりやられた気分になる。もう一つ、敵のジャンプキャンセルに合わせる対空ボムがある。これは京都でもボンバーマン以外狙ったりしない超先読み技(バクチ技?)である。近接戦によるトンファーの回避を先読みして当てるのだが、はずれれば反撃は必死である。しかし、慣れれば敵のジャンプキャンセルというのは結構読めるものだし、重量級には近接武器の発動距離が短いため、ジャンプキャンセルが多くなるものである。  次に敵のダッシュに合わせる直当てボムだが、後ろ周りができればベストであるが、それをのぞめないときの攻撃のレパートリーのひとつとして覚えておきたい。ダッシュの遅い重量級には比較的楽に合わせられると思う。対ベルグドル戦では、ナパームをしゃがみで耐えつつボムを当てれば転倒するため先手を取れる。外周沿いであれば、カベボムぎみに使用して、ダッシュの早いVRにも合わすのは簡単である。  ここでおもしろい技を紹介しよう。背後投げボムである。これはタイミングがポイントで、敵が自機に向かってダッシュしてきて、両機が重なりロックオンが消える直前にしゃがみボムを投げる。するとボムは前に転がらず、後ろに転がるのである。大道芸に近いがやられた方は驚くこと間違いなしである。  4 その他  ここではしゃがみボムでなくその他のボムについてすこし述べたい。まずジャンプボムであるが、敵のダッシュ攻撃をジャンプでかわした後出して追い討ちを防ぐのが一般的だろう。対ベルグドル戦でダッシュホーミングミサイルをよけきれない人には、ジャンプで二発のミサイルをかわしつつ、ベルグドルの頭に当てればいい。基本である。  またバックダッシュボムや立ちボムも、近接戦において使えばかなりのストレスになると思う。  第三章 トンファー技術各論  私は最初にトンファーはアファームド最大の弱点だと書いたが、最大限利用すればこれほどすばらしい武器はない。近接武器最大の破壊力にして、そのホバー能力、私、ボン バーマンがテムジンでなくアファームドに乗る理由もここにある。この章ではトンファーを使用した数々の技術を述べていく。  1 しゃがみトンファー   しゃがみトンファーは高い攻撃力を持ちながらも、使いにくい、あたらない武器のひとつである。通常の近接戦でだしても、まず当たらない。硬直に一方的にやられるだろう。この武器を使うにはそれなりの状況、場面がある。つまり敵の意表を突くか、絶対あたる敵の硬直を狙うか、である。  上記の理由から、京都木屋町のアファームド乗りが,しゃがみトンファーを使う敵 VRは限定されておりそのほとんどがライデン、ドルカスである。詳しく述べよう。  対ライデン戦において使用する場合、まず近接戦がある。ライデンがアファームドを相手にした場合の行動として、殴りに来たアファームドにグランドボム、ジャンプキャンセルショルダー、レーザーなどがある。ここで、このグランドボムにまぎれてしゃがみトンファーをだす。ジャンプしているライデンからはグラボムのせいで見えず、判定の出てるトンファーに当たる。またしゃがみトンファーは攻撃判定が長いため、いつものタイミングでガードキャンセルアタックすると負けてしまうのである。またこれを読まれてキャンセルアタックを我慢したライデンは、目前でしゃがんでいるアファームドに対してレー ザーを撃ってしまうだろう。この時またしゃがみトンファーを出せばいい。相撃ちになるが精神的、転倒させたことからもアファームド有利だろう。京都木屋町でいう、二度だしである。  しかし慣れてくればこの程度では当たらなくなる(実際、木屋町のライデン上級者にはだしすぎてキャンセルアタックのタイミングまでつかまれている)。ではどうするか?、絶対当たる硬直を狙えばいい、つまりレーザーと相撃ちである。  一番簡単なのは、すこし遠いところからトンファーを出しレーザーを狙わせる。立ちでもしゃがみでも出す瞬間、キャンセルしゃがみトンファーで相撃ちであるが、精神的には大ダメージを与えることができる。慣れればレーザーみてからでも間に合うだろう。カゲロウを利用したイナズマキャンセルもいいが、トンファーで確実にダメージを与えることができ、どうみてもこっちの方がかっこいいためこれを利用している。要はレーザー出させればいいのである。  もうひとつ例をあげてみよう。ライデンに回り込みをかけてキャンセルカゲロウ(このカゲロウがポイント、ライデンにしてみればもっともレーザーの撃ちやすい距離だろ う)、キャンセルの位置はレーザーを誘いやすいライデンの前方向で行う。そこからガン殴り(トンファーより楽だろう)でレーザーを撃たしたところでキャンセルしゃがみトンファー。ギャラリー大うけ間違いなしである。またマキコンボ(木屋町スラング、ガン乱舞のこと)からのキャンセルしゃがみトンファーもいい(要、超反応)、もう誰も入ってこなくなるかもしれない。  次に対ドルカス戦である。狙いどころはひとつ、しゃがみファランクスの硬直である。ドルカス戦はライデン戦に比べてかなり難しいが、あてれば一方的にダメージを与えることができる。ドルカスのしゃがみファランクスは使う人によって違ってくるし、ライデンと違い先読みで出す必要がある。クセを見抜き使ってみてほしい。  2 トンファー1フレームキャンセルダッシュ  トンファーの最大の特徴であるホバー能力、ここからキャンセルダッシュして攻撃に移るのはアファームド乗りの基本操作である。これにトンファーを1フレーム内でキャンセルダッシュ、攻撃に移る、トンファー1フレームキャンセルダッシュ(以下、1フレー ム)をプラスしてほしい。それにより近接戦から遠距離戦までオールレンジカバーできる高機動型アファームドに近付くことができるだろう。私はこのトンファーキャンセル操 作、特に1フレームを重要視している。  1フレームの前に、普通のトンファーキャンセルダッシュでまず完全に出せるように なってほしいのは、斜めダッシュである。その操作の難しさから、けっこう手つかずに なっているアファームド乗りは多いのではないだろうか。しかし敵の攻撃をかわしつつ反撃に出ることも可能になり、キャンセル横ダッシュ、前ダッシュとは比べられない重要性を持つと思う。敵のダッシュに後ろ回りしきれないときに、キャンセル斜めダッシュで 追ったり、攻撃範囲は広くなるだろう。なによりビジュアル的にかっこいい。  問題の1フレームであるが、練習を重ねて、常に出せるようにしてほしい。具体的に は、敵の誘導弾が目前にせまっているときでも、あるいはダッシュ後の硬直がなくなるまで。これによってフェイ・イェン以上の高機動が期待できる。  1フレームを導入することによって自分のプレイスタイルを壊すことになるかもしれない(事実、私は壊した)。しかしそれをものにして、前のプレイスタイルに組み込めるようになったとき、より幅のある戦闘ができるアファームドになるだろう。  一番利用頻度の高いのは、ヨコフレショット(1フレームヨコショット)だろう。これによる回避能力、攻撃力の向上は計り知れない。例を挙げよう。  対ライデン戦では、1フレームの有効性が顕著に現れる。ダッシュ攻撃でスキができれば、敵はその硬直を狙って攻撃をしかける。敵のバズーカ、レーザーを、1フレームで自機の硬直を消しつつ回避、敵の硬直にヨコショットを撃ち込むのである。対ライデン戦に限らずヨコフレショットはこういった使い方がメインとなるだろう。いわゆる「先出しが後出しになる」である。これ以外にも、近接戦からの逃げ撃ちとして使ったり、敵のダッシュの前に割り込んで撃ったり、敵の逃げるダッシュ方向にあわせて撃ったり考えられるが、文章でなく実戦で鍛えた方がより効果的な使用方法がみえてくるだろう。  しかしここで思い出してほしいことがある。第一章でとりあげたヨコショットの爆風利用である。1フレームの効果と使用方法を覚えると、そのダッシュのすべてが1フレームになりがちであるが、わざとおくらせて爆風利用するぐらいのTPOにあった、メリハリある攻撃を行ってほしい。それでこそ幅のあるプレイスタイルというものである。  次にヨコフレボム(1フレームヨコボム)である。ただのヨコボムではショット一発の爆風ぐらいだったのが、しっかり爆発してくれるのだからこれは大きい。  使いどころとしては、近接戦や回り込みからキャンセルガード、ヨコフレボムにつなげたり(敵の大半の回避行動だろうジャンプキャンセルにあわせる)、敵のダッシュ攻撃を1フレームで回避、追い討ちを避けるためボムをはる、といった方法がメインになるだろう。  最後にマエフレショット(1フレームマエショット)について述べる。マエフレショットは、ヨコフレショットのように外観上は攻撃方法を変えるような変化はない。しかし硬直を消すことができ、ショットの発射の速さ、ダッシュ速度、ホーミング性能の向上など単なるマエショットに比べ、はるかに高性能である。またマエフレショットよりナナメマエフレショットのほうが回避しやすく使いやすいのは言うまでもない。  使いどころは今までのマエショットと変わるところはあまりないが、まとめて当てやすくなっているようだ。また、ヨコフレショットでは距離があいてしまう欠点(近接戦に持ち込みにくい)を克服することができると考える。  これら1フレームは他VRでも必要であるが、その重要性はアファームドにおいて非常に高く、対戦方法を変えてしまうほどのテクニックである。それは1フレームダッシュ攻撃だけを指して言うのではない。1フレームを回避のみに使ってキャンセル、近接戦に持ち込んだり、敵に動きを読まれたりしないように使ったり、応用をきかして使うことで重要性が増すということを忘れないでほしい。  3 その他  ソニックリングについてすこし述べよう。普段は余り使わない武器だが、最後の削り目的、屈辱的意味を込めた技としては使える。  対ライデン戦でダッシュバズーカをすべて消しつつソニックリングや、対ドルカス戦でわざとジャンプキャンセル失敗に見せかけ、ハンマーを撃たせてソニックリングではね返すなど、おもしろいと思う。  第四章 個別技術・連携技術  バーチャロンの面白さは対戦においてのかけひきであり、敵の攻撃を読み、裏をかき、回避し、自分の戦闘技術のすべてを駆使して戦うことである。対戦に勝つことがすべてではないが、敵に自分を脅威とするには、戦闘パターンを幾種類も備え、冷静な判断によってそれを繰り出すことであろう。  以下に記載する私たちの戦闘パターンが、あなたの戦闘パターンのレパートリーに何らかの影響を与えることができれば嬉しい(もう使っているものもあるだろうが)。  1 ヤマウチダッシュ(byボンバーマン)  ヤマウチダッシュはボンバーマン(本名ヤマウチトモカズ)が開発(関西大会直後)、実用化したためそう呼ぶ。  回り込みをかけて敵に攻撃を加えるまでに(実際は、敵に攻撃を加えた直後までOKだが、これは現実的でない)、キャンセルをかけて前ダッシュする操作が、敵をとらえながら前ダッシュのかたちをとった後ろダッシュといった行動を行う。この一連の操作をヤマウチダッシュという。  ヤマウチダッシュはなにも、回り込みキャンセル前ダッシュだけに起こるものではない。後ろ回りキャンセル前ダッシュにも、ガン殴りから裏拳のホーミングによる回り込みキャンセル前ダッシュにも、ガードキャンセルアタックによる回り込みキャンセル前ダッシュにも、その他、敵を捕らえるために起こり得るすべての回り込みを、キャンセル前ダッシュすることによって起こる(ガードキャンセルアタックの場合は、ガード状態にあるレバーをニュートラルに戻してから、その速い攻撃を加えるまでにキャンセルしなくてはいけないので、かなり難しい)。  回り込みをかけられた敵の行動として、ジャンプ、ガード、しゃがみ回避などがあるが、その対策としてヤマウチダッシュ攻撃(ボム、ショット)は、近接戦で有効な攻撃が与えにくい現在、有効である。その攻撃を読まれないためにも、回り込みヨコショットやキャンセルガードからの1フレーム攻撃、ヤマウチダッシュキャンセルからの近接攻撃など工夫してほしい。どの攻撃もそうだが、読まれれば意味がないのだから。  ヤマウチダッシュの中でも、後ろ回りヤマウチダッシュボムはお勧めである。わかりやすい例を挙げれば、開幕でソード、トンファーで近接をしかけてきたとき、後ろ回りしたとする。敵は斬られることを恐れてキャンセルダッシュせず、必ずガード、あるいはジャンプするだろう。そのときはすでにボムの中である。  2 イキコンボ(by木屋町ライデン)  イキコンボは、木屋町ライデン(本名イキマサトシ)がサブVRのテムジンに乗るときに好んで使用する連携である。それをボンバーマンがアファームド用に改良した。開発、実用化した本人にちなんでそう呼ぶ。ちなみにイキは粋とかかっている。  イキコンボは近接戦において、テムジン、アファームドの投げるボムの後に、ダブルロックオン中の右手武器でスキなく回り込みができることを利用した連携であり、そこからの派生コンボを総称である。  しかし普通に操作しても出にくい。出しやすいのは起き攻めのときだろう(ボムのモーションを盗まれることもない)。起き上がる敵の前を、横に歩きつつボムを敵の後ろに投げ入れる。その後タイミング良く右手武器を出す。つまり横歩きボムが回り込み操作の横方向入力と重なっているのである。  アファームドに関して言えば、これで180度背後に回り込みやすい。敵はガードしにくい位置である。このあとは敵に合わして近接戦でもいいし、裏拳や、もう一度ボム、ヨコショットなどを繋げる。裏拳が回り込むようなら難しいがヤマウチダッシュにしてボム、ショットも効果的である。また裏拳、ボムの後にショットを入れてもいいだろう。  最高で4段まである多段コンボである。読まれてもどれかは当たるだろうし、アレンジ次第でいろんなイキコンボが考えられる。以下、例をあげるがシンプルなものが使い勝手がいいと思う。  木屋町ライデンがテムジンで多用するイキコンボは、ボム→突き→払い→しゃがみソードの四段である。起き上がりに後ろに投げ込まれたボムを嫌ってダッシュしようとも、突きまたはその後の払いでホーミングされ(この時点で当たってることも多い)、しゃがみソードが追っかけて斬る、という連携である。この連携は知っていても本当によけにくい。  ボンバーマンはボム→ガン殴り(→ボム)→ヨコショットの三段(四段)連携のイキコンボを多用する。最後のヨコショットをボムの中をくぐるようにすればリスクも少ない。テムジンのしゃがみソードのようにしゃがみトンファーの性能が良くないぶん、ショットガンに頼ることにしているのだが、カベそばなどの爆風利用を考えれば大ダメージが期待できる。  3 マキコンボ(byオデン)  マキコンボはアファームドのガン乱舞である。オデン(本名マキテツヤ)が開発、実用化したためそう呼ぶ。ちなみにマキは巻きこむとかかっている。  操作方法の説明は、ガン乱舞なので必要ないと思うが、使用方法についてはすこし解説したい。  マキコンボは回りこみキャンセルガードで後ろ方向、あるいは横に位置してから始めるのが一般的である。なぜなら、後ろ方向はガードしにくく、また横はガードできてもキャンセルアタックできないことが多いからである。  マキコンボからボム、裏拳などへの派生はその状況に応じて使い分ければいいだろう。二発入ればトンファー並みのダメ−ジであるし、ガードし続けるストレスはかなり大きい。ガードに自信のある人程、その状況におちいりやすいと思う。  対アファームド戦では、マキコンボの対策として置きトンファーなどをしてくるだろうが完璧に入力し続けるかぎり、先に殴ることができる。対ライデン戦でも、レーザーの開く前に殴り続けることが可能だ(反論アリ)。しかし敵もばかではないし、完璧に入力し続けることも難しい。先手をとる意味も込めて、何らかの行動に移った方がよりベターだと思う。  4 天王寺ダッシュ(by天王寺テムジン)  大阪は天王寺のテムジンに教えてもらったため、そう呼ぶ。  操作方法は敵を転倒させた後、起き上がる前に敵を通り越して背中を向ける。敵が起き上がる直前にバックダッシュで敵を通り越して、ダッシュキャンセルをかける。すると敵の斜め後ろという有利な位置を取れるため、置き攻めしやすい。  そのまま回り込んでも普通よりガードしにくいし、簡単だが効果のある近接テクニックである。  おわりに  このアファームド高等戦術講義は砲撃戦を中心に解説し、近接戦に関してはほとんど載せなかった。なぜなら、アファームド乗りにとって近接戦技術は最低限必要なものであり、対戦の面白さのひとつであっても、それがアファームドのすべてではないと思ったからである。  私は砲撃戦でのあの緊迫感と、頭を働かせて戦うその創造性がたまらなく面白い。加えて砲撃戦技術の向上は、一撃必殺としてのトンファーの価値を高めることになり、より緊張感のある近接戦が楽しめることになると思う。  このアファームド高等戦術講義は、高等とはいうものの、京都木屋町においてのであって全国のレベルではないかもそれません。しかも僕のプレイ中心なんで偏り激しいです。そのへんはかんべんして下さい。この講義録に、質問、補足、批判などありましたら、ぜひお願いします。今後の参考にしますんで。 最後になりましたが、これを出すにあたり協力してくれた皆さん、ゲームセンターGOLDでいつも対戦してくれる皆さん、そして最後まで読んでくれた皆さん、どうもありがとうございました。僕はヴァーチャロンが大好きです。 by ボンバーマン