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かな式キーボード入力とローマ字式キーボード入力

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コンピュータのキーボードを使って日本語入力をする方法には、主に二通りがある。「 ( JIS ) かな式」と「 ( QWERTY配列に対する ) ローマ字式」である。最近目にする初心者向け解説書では、「ローマ字式」が薦められていることが多いようだが、そんなに「かな式」は不便なのだろうか。僕はそうは思わない。

はじめに

はじめに断っておくが、僕はかな式入力者である。またローマ字式を使えない悲しき入力者かも知れない。従って、この意見は決して平等な視点から書かれたものではない。僕はしばしば周囲からの「ローマ字式に変えたら? 」という強制 ( 彼らは提案しているだけだろうが.... ) を拒否してきた。その強制による屈折と、強制に対する恨みが表れていることだろう。

またこのページの目的は、「ローマ字入力者よ、かな式入力者を放っておいてくれ」「ローマ字入力者よ、初心者がかな式入力者となるのを妨げないでくれ」「コンピュータメーカーよ、かな式入力者を見捨てないでくれ」である。

ローマ字が薦められる理由

P.C.が普及したこともあって、最近 ( 1998年現在 ) になってコンピュータに触れ始めたという人が多い。彼らがコンピュータを使ううえでどうしても必要なことは、コンピュータに日本語を入力することである。彼らが日本語入力の方法を学ぶために、参考書を買うか、講習会に行ったとする。すると教えられるのは、大抵、ローマ字式である。

ローマ字式とは、キーボードに書かれたアルファベットに従って、ローマ字で日本語を入力する方法である。例えば、「おはよう」なら「o h a y o u」と入力するものだ。

ローマ字式を薦める本によると、ローマ字式がかな式に優っている点として次のようなものが挙げられている。

これらの理由は正しい。

かな式の表面的な利点と欠点

これに対してかな式にはどんな利点があるだろうか。実は入力効率という点ではあまり目立った利点はないと思われる。一般にかな式は一つの文字を一つのキー操作で入力できるので入力速度が速いといわれるが、日本語には拗音濁音などがある。これらを考慮すると、実はそのキー数にあまり差はない。例えば「きょうと」は「き、Shift、よ、う、と ( 5キー ) 」と「k y o u t o ( 6キー ) 」だ。あまり差はない。

むしろ利点と考えるべきは、ローマ字を覚える必要がないことである。ローマ字は日本語ではない。コンピュータを利用しようという人で、ローマ字を全く知らないという人は少ないだろうが、使いこなせないという人はかなりいるだろう。使いこなすとは、つまりキーボードに向かった際に、負担を感じずにひらがなとローマ字を変換できるかということである。それは「か」が「ka」と変換できるか、から始まって、拗音を扱えるか、「ず」と「づ」を混乱しないかといったことまでである。更に、コンピュータ特有の問題として「んあ」などをすばやく入力できるかという問題もある。これらのローマ字語の学習は決して楽なことではない。

では欠点はなんだろうか?

かな式で入力していて、アルファベットを入力したいと思ったときは大変である。MS Windowsを使用していると、FEPを切るか、入力モードを変えなければアルファベットは入力できない。ローマ字式ならばそのまま半角化すればよいのにだ。モード切り替えは106キーボードの場合、 Ctrl + ローマ字と二つのキーを入力しなければならない。英語101キーボードなら Ctrl + Shift + Caps の三つである。NECの9801、9821シリーズならば「かな」一つであり、その負担はローマ字式と大差なかったが、残念ながら現在NECが力を入れている98NXシリーズには「かな」はついていない。ただし、この欠点を解消するフリーソフトもある。

またローマ字式の利点の裏返しが、かな式の欠点になる。かな式は覚えねばならないキーが多い。またひらがなとアルファベットの二通りのキー配置を覚えねばならない ( ただしキー配置を二通り覚えることと、一通りの配置とローマ字語を覚えるのと、どちらが楽かはその人の個性によるだろう。当然、自分がより苦しいと感じる方がより大きな欠点である ) 。

日本語による思考とカタカナの入力

入力効率だけを考えると欠点の多いかな式だが、人間が扱うものであることを考えると利点もある。

僕らが日本語を入力している時、頭の中にあるのは日本語だ。にもかかわらず、それを入力するのにいちいちアルファベットが頭の中に出てくるのは気持ち悪くはないか。事務的な文章を入力しているのならば、まだ耐える気にもなる。しかし私的な、もしくは詩的な文章を入力するときは、頭の中もその文章と同じ気持ちでいたい。「今日は楽しかったよ」と電子メールを書くときの気持ちは、「き ( 小さい ) ようはたのしか ( 小さい ) つたよ」であり、「kyouhatanosikattayo」ではないはずだ。もちろんローマ字式に馴れた人は、「指が自然に動き、ローマ字を意識しない」のだろうが、これから始めようとする人にはつらいものがある。全ての人がそうではないかも知れない。しかし、つらい人と感じる人がかな式を選ぶことを認めてあげて欲しい。

またローマ字式はカタカナの入力でも混乱を招く。例えばブック ( Book ) と入力するとする。かな式ならばカタカナの「ふ ( に濁点 ) ( 小さい ) つく」でよいが、ローマ字式ではなまじ頭の中でアルファベットに変換しているだけに「b o o k」と入力して仕舞う。その入力に対する結果は「ぼおk」などだろう。とにかく「bukku」などのローマ字的入力以外は誤った変換をする。ローマ字式は、カタカナという中途半端な言葉を処理するのに不向きだといえる。繰り返すが、これも、ローマ字式もしくはローマ字に慣れている人には何の問題もないかも知れないことではある。

かな刻印をいつまでも

かな式入力者として心配なことは、キーボードからかな刻印が消えることである。あまりにかな式入力者が批判され、少なくなれば、コンピュータメーカーはキーボードにかな刻印を入れなくなることは充分に考えられる。

ローマ字式入力者から見れば、かな刻印はまったく無用なものに見えるだろう。だが、まだかな式入力者はいる。どうかかな式入力者を見捨てないで欲しい。

ローマ字の不完全さ

この章はキーボード入力法の話から離れる。

ローマ字は不完全な表記法である。なぜなら、これはアルファベットを母国語とする人たちには読めないからだ。ローマ字はあくまでも日本語圏の人が、日本語の代用品として使えるだけのものなのだ。決して他言語の中に入れて使える代物ではない。

むしろローマ字があるために、日本語が他言語に翻訳される際の邪魔になっているともいえる。他言語の使い手が、読めるようにアルファベット表記してくれればよいものを、ローマ字があるために日本語はローマ字に変換され、正しく読まれない。

そんな中途半端な表記法をこれからも使い続けてよいのだろうか? 僕も残念ながらこのWWWPにかなりのローマ字を書き込んでいる。しかし、できることならより正確な「日本語のアルファベットによる表記法」を確立して欲しい。

さいごに

かな式の欠点といわれる入力モード切り替えの不便さを解消する素晴らしいフリーソフトがある。僕がDOS/V機を使うときに欠かさず利用しているのは、斉藤秀夫氏の作られた秀Caps for Windows95 Version 5.2 ( 24Kbytes ) である。9821シリーズからDOS/V機に乗り換えて、入力に不便を感じているかな式入力者に強く推薦する。

Win95/NT環境下で動作し、サポートは秀ネットで行われている。

なお秀Capsは掲載・配布自由とのことなので、斉藤氏に断りなくここに掲載させてもらっている。

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2002年02月末日までの調査結果 2002年03月からの調査結果 ( 中間報告・不定期更新 )

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